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北海道新幹線延伸の見えぬ展望と迫る決断

北海道新幹線延伸の見えぬ展望と迫る決断

北海道新幹線延伸を話し合う協議会は未だ様子見

2030年度に北海道新幹線が札幌に延伸する計画があり、開通すれば後志管内を新幹線が走ります。年に1度沿線9市町の首長が顔をそろえる会合が開催されており、今年は8月26日、倶知安町役場で並行在来線対策協議会後志ブロック会議が開かれました。後志地域倶知安町では小樽市と共に新幹線駅が設置される予定で、現在在来線が走っている倶知安駅が新幹線の駅に生まれ変わります。

今後並行在来線の存廃によって、町には駅の設計や駅前再開発などに影響が発生。並行在来線の存廃は地域の交通やまちづくりを左右するため、議論を詰める材料としてJRがこの夏に需要調査を実施する予定でした。しかし新型コロナウイルスの感染拡大の影響で調査は来年度に延期。結局、会議は並行在来線存廃の判断時期について、当初目標の延伸5年前(2025年度)から前倒しするという昨年の方針を再確認するにとどまり、展望が見えぬまま様子見が続いています。

課題は山積みか

新幹線の開通は町中心部の現存する駅を巻き込む大事業で、建設に時間がかかるとともに財政負担が大きくなります。JRが走る小樽―長万部区間では年24億円の営業赤字を生む不採算路線で、新幹線開通により運営していたJRに代わり、第三セクターが運営すれば赤字は基本的に道と沿線市町の負担です。利用者の多い小樽―余市区間とそれ以外では地域事情も異なり、財政の負担を考えた調整は簡単に決断できるものではなく、利便性がなければ住民にも受け入れられません。

建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は2026年度には土木工事を終え、速やかに駅舎建設に入りたい構えだが、在来線を残すか否かで駅の構造は大きく変わり、方向性が固まらない限り工事も駅前再開発にも手を付けられない状況です。

source:北海道新聞

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