Now Reading
北海製缶第3倉庫 今年度内の解体工事見送り

北海製缶第3倉庫 今年度内の解体工事見送り

北海製缶第3倉庫 解体工事来秋へ

小樽市は10月20日、北海製缶に歴史的建造物である第3倉庫の解体工事見送りを要請しました。当初2020年11月に解体開始、翌3月末に完了する方針でした。しかしながら北海製缶は、将来の小樽観光のあり方を考えた時「強行して壊すわけにはいかない」として市長の要請を受け入れ、10月29日に来秋までの解体が見送りを決定しました。

北海製缶第3倉庫は、大正13年(1924年)に北海製罐倉庫株式会社の工場と共に小樽に建てられました。工場は現在も稼動しており、日本の缶詰製缶工場としての大きなシェアを誇っています。第3倉庫は小樽の鉄筋コンクリート造では初期の建物で、主に缶の保管用として使用されていました。現在は利用されていませんが、平成24年(2012年)に小樽市指定歴史的建造物第76号に指定されており、運河沿いのランドマークとなっています。

近年第3倉庫は、築96年と老朽化が進んでおり、海側の壁が崩れるなど対応が必要とされています。しかし北海製缶はコロナ禍で業績が落ち込み、現在稼働していない倉庫を維持することが難しく、また商業施設への転用も小樽市の分区条例で敷地用途が工場用にほぼ限定されているため難しく解体案が浮上していました。

第3倉庫保存と活用への動き

第3倉庫の解体が来秋になったことで1年の猶予ができましたが、今後について小樽市行政だけでなく、経済界やまちづくり団体、専門家らと協議し、ただ残すだけでなく対策を決めていかなければ解体は免れません。市は維持管理費の試算もできておらず、保存活用した場合の財政負担も未知数です。

その中で小樽に住む、通勤する会社員や公務員ら20代~30代前半の約10人が中心に立ち上がり、第3倉庫存続に向けて「第3倉庫の次世代活用を考える若者ネットワーク Non(ノン)―」という団体を結成しました。「#第3倉庫とともに未来へ」をキーワードに、倉庫の新たな活用策などを10月半ばからフェイスブック(FB)などSNSで発信。11月7日には市内でワークショップを開催する予定で、第3倉庫の活用法を話し合います。

sauce:北海道新聞

コメントを残す

Leave a Reply

Your email address will not be published.

Enable Notifications OK No thanks