トンネルで5年の熟成期間を経て新しいコーヒーへ
2021年4月18日

隧道珈琲
羊蹄山の麓は京極町、ふきだし公園で自家焙煎の珈琲店として営業している「かふぇもか店」。こちらのお店で「隧道(ずいどう)珈琲」という新しいコーヒーが販売されました。
隧道とはトンネルのことを指し、トンネル内で長期保存熟成させたコーヒーがこの隧道珈琲です。
通常のコーヒー生豆はコーヒーチェリーが収穫された後、外皮を取り除くなど精製加工された状態で2~3年保存が可能だと言われています。またコーヒー生豆は、保存期間に応じて呼び方が異なり、その年に収穫されたものを「ニュークロップ」、前年に収穫されたものを「パーストクロップ」、2年経過しているものを「オールドクロップ」と呼び、隧道珈琲は5年以上ダムのトンネル内で保管されていたため「プレミアムオールドクロップ」と呼ばれます。
ダム内のトンネルを活用した保存
この取り組みは2015年に札幌市の豊平峡ダムのトンネルを活用して地域振興ができないかという話しが出たことが始まりです。
コーヒー豆は空気に触れたり、保存環境の変化によって酸化が進み風味が損なわれてしまうため冷暗所での保管が望ましいとされています。トンネル内は暗所である上、年間通して温度は10度、湿度は100%の環境が保たれていることからオーナーの駒谷さんはダメ元で貯蔵実験に挑戦しました。
5年もの間トンネルで熟成されたコーヒーのお味は「とても円やかで甘味があり、後味すっきり」となり、とがった酸味や冷めてから感じる渋みもないといいます。
これまでの常識から少し長い期間、熟成に時間をかけた隧道珈琲。長期保存熟成珈琲として新しい歴史が刻まれるかもしれません。
Source:北海道新聞
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